奈良の図書館で…

週末の三連休、奈良に8名のゲストを招いて、「自分の仕事」の話を交わすフォーラムを開催します。

二日目は定員超過で申込み〆切なのですが、初日と三日目はまだ大丈夫です(申込制)。
(床座や立ち見でOK、かつ事前に申込んだ方々の後の入場なら、二日目も入れるかも…という噂があります。とても興味がある!という方は、図書館への問い合わせをトライしてみてください。リビングワールドのサイトで読んで…とは言わないで)
 
初日の三人を中心に、各ゲストの紹介を少し。

1/10(土)午前9:30~12:00は、京都・綾部から「半農半X」という生き方の実践、および提唱をしている塩見直紀さんと。

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綾部で開業準備中の宿「吉水」ロビーにて(2008年10月)

「半農半X」とは、自分の暮らしの半分の時間を、自分たちが食べてゆくための農業に。残りの半分で社会に関わる仕事をしよう、という考え方。
晴耕雨読という言葉がありますが、その新バージョンという感じでしょうか。屋久島の星川淳さんが「僕は“晴耕雨著”」と書いていたのを見て、ひらめいたらしい。

彼は32才までフェリシモで働いていた。その最中から、こうした生き方の思索を重ねていたそうです。
家族に相談し、思い切って郷里の綾部に戻り、この13年ほど「農」と彼なりの「X」を実践してきた。著書多数。

宮大工の西岡常一さんは生前、「宮大工は自分の畑を持つべき」と話していました。
土の上に建てるものをつくるんだから、土を知っておこうというのがひとつ。もうひとつは、悪い仕事は腕を落とすので、納得のいかない仕事は請けずにすむよう、暮らしをささえる最低限の食材づくりは手元でやっておく方がいい、という考えです。
 

初日の午後。13:30~16:00は、四国・徳島の神山町でアートをつかったまちづくりの実践をかさねている、大南信也さん。

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私たちのマンオブザ・イヤー(2007年)は、この大南さんでした。

大南さんは、グリーンバレーという地域づくりのNPOの理事長であり、リーダー。

リーダーといってもいろいろいる。先頭で旗を振って引っ張ってゆくだけがリーダーじゃない。
列のいちばん後ろを歩くことで、みなが安心してグングン歩けるようなリーダーもいれば、真ん中あたりにいてみんながまわりに集まってくるような、そんなリーダシップもある。
わたしたちは、彼のようにすこやかなリーダーシップには滅多に出会えないなあ…と感じていて、その大南さんの「感じ」を、集まった人たちと共有できたら!と思っています。

町での活動も面白い。10年前から国際的なアーティスト・イン・レジデンスのプログラムを毎年開催しています。おそらく日本でいちばん低予算で、いちばん手作りで、いちばん温かみのあるもの。参加アーティストたちが口を揃えてそう語る。
他にも様々な活動をなさっていますが、詳しくは当日。
 

そして初日・1/10(土)の夕方、16:30~19:00は、大阪市内のお寺と、そこを軸にした人々のつながりを育ててきた、應典院・住職の秋田光彦さん。

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大阪の小劇場ムーブメントや市民活動をささえる。幼稚園も経営。

秋田さんは、20代の頃は「ぴあ」で映画のプロデュースを手がけていた人。
最初は極めて好調でしたが、映画は興行としてみると、一種のギャンブルでもある。二本目が大はずれとなり、膨大な借金を抱えて行き詰まったそうです。

生まれた家は、大阪の浄土宗大蓮寺。人の死で儲けるような家にはいたくない、という一心で若い頃から家を飛び出していた彼ですが、お坊さんである父親に諭されて、そこから仏の道に入った。
ただし葬式で儲ける寺はやらない、という考えで「應典院」をつくる。

本堂はそのまま小劇場としても利用できる。下の階には稽古場や、地域住民・サークルなどが利用できるスペースをつくる、など。そんな空間とつながりを育ててきた人です。
 

二日目以降のゲストは。

1/11(日)
 09:30~12:00 藤本智士(『Re:S』編集長)
 13:30~16:00 遠山正道(Soup Stock Tokyo社長)
 16:30~19:00 豊嶋秀樹(graf設立メンバー)

1/12(月・祝)
 09:30~12:00 明川哲也(作家・歌う道化師)
 13:30~16:00 河瀬直美(映画作家)
 

仕事や働き方について「論」ではなく、自分にとって「自分の仕事」とは?、自分はなにを大事にしてきたか・してゆきたいか? といった、ご自身の話をうかがおうと思っています。

「自分の仕事」とは、文字通り自分の仕事です。儲かるとか、尊敬されるとか、世間的にイケているといったことを足がかりにするより、それぞれの至福を追求してほしい。むろん、「ゲストや西村がこう論じていた」とかでもなく。

自分自身が感じる意味や、実感を大切にするが、充実感や誇りのある仕事につながるんじゃないか。
ゲストも西村佳哲も参加者も、一般論でなく「自分は…」という主語のある言葉を交わし、互いに考え合える時間になればと思っています。

次の連休、お時間があったらぜひお越しください。
 

by LW 2009/1/6

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