地上をゆく船にのる、3泊4日

 
昨年オープンした陸前高田の宿泊滞在施設「箱根山テラス」を会場に、去年から友廣裕一・長谷川浩己・西村佳哲のメンツで始めたワークショップが、2年目の今年から「学校」に!
日数も一日増え、プログラムや構成もふくらみを増し、ガツンと気合いを入れて開校します。
昨年参加した人も、震災後の三陸沿岸部へ行くのは初めてだという人も、あるいは陸前高田の人も、どうぞご参加ください。

広田湾を見下ろす山腹の、船のデッキのような空間を拠点に、ゼミの時間をすごしたり、マイクロバスで探訪に出かけたり、木陰で横になったり。
出会いあり、学びあり。充実した時間をともにすごす、秋の4日間の学校を開きたいと思います。(ロゴデザイン:中川たくま)
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箱根山学校 Hakoneyama Academy
いきなり第2回
 日時: 2015年9月20日(日)〜23日(水祝)
   20日 集合時刻(JR 気仙沼駅)
   友廣ゼミ 10:34、長谷川ゼミ・西村ゼミ 14:09
   23日 解散時刻
   友廣ゼミ 14:20頃、長谷川ゼミ・西村ゼミ 16:15頃
 会場: 箱根山テラス(岩手県 陸前高田市)
 定員: 各ゼミ 10名づつ
 参加費: 45,000円/宿泊費・食費込み

友廣裕一[左]
20代前半の日本一周を経て、震災後はとくに東北での生業づくり、その土地のモノ・ひと・状況から仕事を生み出す活動を積み重ねている。石巻市牡鹿半島で出会った人たち×彼の仲間たちが形にした仕事のひとつに『OCICA /オシカ』というアクセサリーがある。
長谷川浩己[中]
星野リゾートなどのランドスケープ・デザインを手がけるかたわら、2012年頃から陸前高田に通い、外部の専門家として出来ることを模索。「箱根山テラス」では土地の特性をいかす観点から、建築計画の中心的役割を担う。
西村佳哲[右]
『自分の仕事をつくる』著者。ひとの働き方に強い関心を抱きながら20〜40代前半をすごし、近年は「営み方」に視点を移す。「箱根山テラス」とは、生まれる前(構想段階)からスタッフミーティングまで、親戚の叔父さんのようにかかわっている。
 

『OCICA /オシカ』。彼はデザイナーではない。素敵な外観も含みプロダクトは結果で、つくられたのはプロセスと関係です。

軽井沢の『ハルニレテラス』も長谷川さんの設計。デッキの手摺りの扱いのなにげない巧さに気がつく人はいるかな。よく出来ているデザインは見えなくなることの好例。つくられているのは形でなく経験です。

西村は、模造紙とポストイットとプロッキーを使うワークショップが苦手。写真は岡山・D-MALLでの一コマ。ファシリテーションの大切なスキルは、空間の使い方だと思っている。「成長とは、自分が安心していられる領域が広がること」という言葉が好きです。

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プログラム案
初日:9/20(日)
・友廣ゼミ、10:34着の電車(東京発6:04)で気仙沼駅集合。マイクロバスで、気仙沼を経ながら陸前高田・箱根山テラスへ。
・長谷川+西村ゼミは、14:09着の電車(東京発10:40)で集合。同じく陸前高田へ。
・美味しい夕食(箱根山テラスの代表・長谷川順一氏が担当)
・夕食後、メンバー同士の紹介

2日目:9/21(月祝)
8:30〜11:30 友廣裕一 プログラム
「地域とつながる仕事づくり、東北とわたしたちの暮らし」
12:30〜15:30 長谷川浩己 プログラム
「土地をいかして生きる、暮らしの基盤としてのランドスケープ」
16:15〜19:15 西村佳哲 プログラム
「これからの営みをつくる、〝公 – 共 – 私〟のデザイン」
 *上記3プログラムは全ゼミ合同
  陸前高田の人も部分参加可能(お申込みは箱根山テラスまで)
・夕食は陸前高田の醬油蔵「八木澤商店」のプロデュース。
 食後、同社の代表・河野通洋さんを交えていろいろ。

3日目:9/22(火祝)
8:30〜15:00(6.5時間) 友廣ゼミ、浩己ゼミ、西村ゼミ
 *上記ゼミは、ファシリテーター+各10名のみで集中
 *マイクロバスで地域へ出かける時間を含むゼミも
15:30〜19:00 自由選択 ワークショップ
 *15:30〜、16:45〜、18:00〜 の各1時間
  3名以外の講師も含む複数のワークショップを同時進行で開催
  惹かれるもの3コマに自由選択で参加
・美味しい夕食のあと、今日一日のふりかえり。

最終日:9/23(水祝)
8:30〜12:00 COI(コミュニティ・オブ・インタレスト)
「この指とまれ」形式の関心グループ
・昼食は「和笑輪」橋詰真司さんの大皿料理を。食後、友廣ゼミは気仙沼駅へ。14:25発に乗る流れ。
・浩己ゼミ・西村ゼミは、最後のプログラムを経て、15:20頃にテラスを出発。16:21発に乗る流れで解散。

 

 
◎お申込み方法:
以下の事項をメールでお送りください。先着順で受け付けます。
 ・希望ゼミ: *友廣/長谷川/西村 のいずれかを明記
   友廣ゼミ  …キャンセル待ち受付中
   長谷川ゼミ …キャンセル待ち受付中
   西村ゼミ  …受付終了
 ・お名前:

 ・連絡用メールアドレス:(複数可)

 ・連絡用電話番号:

 ・ご住所:

 ・ご年齢:

 ・性別:

 ・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)

 ・お申込みの動機:(必須、ただし選考用途ではありません)
 送付先:1509hakoneyama@livingworld.net

 
◎お申込み完了までの流れ:
・申込者には催行人数(24名)に達し次第ご連絡さしあげます。
 数日以内に参加費をお振り込みいただき、その確認をもって参加申込の完了となります。

・全日程の参加が前提です。
 

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「箱根山テラス」について

「箱根山テラス」建築模型。陸前高田の平野部では土地のかさ上げが数年がかりで進行中で、広場や公園のような空間がほぼない。傾斜を活かして設計された広いデッキは、宿泊者だけでなく地域の人たちにもひらかれている。

三陸沿岸部では復興事業関係者の需要のため、宿の予約が取れない状況がつづいてきました。しかし新しい価値や、将来世代にむけた試みを形にしてゆくには、地元の人たちと地域外の人たちの関係育成を可能にする『場』が要ります。
箱根山テラス」はその実現にむけた宿泊・滞在施設として生まれ、2014年9月に出航しました。(ロゴデザイン:中川たくま)

リーダーの長谷川順一さんは、震災経験後、過度に外部依存しない地域エネルギーの必要性を感じ、本業の建設業のかたわら本格的に木質バイオマス事業に取り組み始めた。「箱根山テラス」はその彼が仲間たちと始めた、もう一つの新事業です。

将来世代を含み、人々が健やかに生きてゆける状況を、木質バイオマスを軸にした地域エネルギーシステムと、地域内外の人々がくり返し訪れる場づくりをつうじて、陸前高田に実現することを目指している。
西村佳哲は縁あって2012年春から現地に通うようになり、地域の仕事づくりを目指す会社をサポート。その中で「箱根山テラス」プロジェクトにかかわるようになりました。
オープンまでは施設づくりを手伝い、オープン後は利用者として年に一度のワークショップ企画を、友廣・長谷川と始めた。

昨年の滞在中の、友廣裕一グループの1コマ。デッキ奥の木漏れ日の下で。最高のワークショップ環境だと思います。

こちらは屋内の大テーブルにて、長谷川浩己グループ。土地の特性を掴み、人間が快適にいられる空間をつくり出す知恵は、ランドスケープの仕事に就くわけでなくても知っておきたい。

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友廣裕一さんから
ぼくの人生は、2009年に日本各地の農山漁村を訪ねる旅に出たところから動き出しました。詳しいことは西村さんの著書『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』に詳しく書いてもらっているのですが…そこで出会ったこと、学んだことが、すべて今につながっています。むしろ、あの時間がなければまったく違う人生を歩んでいたと思います。
ちなみに、その旅では大きな偶然が何度もありました。中でもとくに大事なことの一つが、旅先の北海道のある場所で西村さんとばったり再会したこと。もう一つは、陸前高田で事故って八木澤商店の河野社長の家にしばらく泊めてもらったこと。そして、長谷川建設の長谷川社長をはじめ、高田の人たちに(たらい回し式に)お会いさせてもらったこと。
これらがなければ、ぼくは今こうして生きれてないだろうなと言い切れる。それほど大きな出会いでした。
その後、震災が起きて、この2つの大切な人たちの縁が重なって、「箱根山テラス」というすてきな場所が生まれることになりました。この場所は、なんともすこやかな雰囲気が印象的で。いろいろなことがあった中で芽生えてきたその強さと、やさしさが混在する感じは、凛とした空気をまとっている気がします。
きっとこの時間をともにしてくださる方にとっても、大切な関わりが生まれる場所だと思います。ピンときたら、ぜひ。お会いできるのを楽しみにしています。
インタビュー:「縁でつむぐ物語」(サイト「四国びと」より)
 
長谷川浩己さんから
箱根山テラスは本当に面白い、というか興味深いプロジェクトです。その実現までのプロセスに関われた事は幸運だったと思ってましたが、出来た後も一緒にワークショップを、と西村さんから誘われ、ありがたいことに縁が続いてます。
今年はなんと学校に進化しました。三者三様。僕自身はランドスケープデザイナーの立ち位置しか取れないけど、実はデザインすると言うのは最終形だけじゃなくて、そこに至るいろんな関係や事柄を読み込んで、新しい方向に組み直す事にあります。
僕たちがこれから行こうとする方向はどっちなのか?
陸前高田の今と将来の風景を考える事は、実はかなり普遍的なところにつながっているのでは、という予感が…。ぜひお越しください。
インタビュー:「ランドスケープデザインは関係性を扱う…」
長谷川浩己×西村佳哲
(デュポンコーリアンのサイトより)

 
西村佳哲から
昨年は両グループのCo-ファシリテートを担いましたが、今年は自分も1ゼミ担当します。10名だから、密な時間を持てますね。
「働き方の研究」と「プレデザイン」と、『いま、地方で生きるということ』や『ひとの居場所をつくる』で触れた事々、これからの暮らしと仕事をどうつくってゆこうか? という関心が織り混ざった最前線を、ワークショップの形で分かち合えればと思います。お楽しみに。
昨年のワークショップ風景から…「公園のような場所」
 
というわけで、気になるゼミにお申込みください。
 

by 2015年4月5日