穂高養生園で非構成的エンカウンターグループ・7泊8日

養生園の滞在を味わいながら
 
橋本久仁彦さんをファシリテータにむかえ、安曇野の森の中にあるワークショップ棟を借りきっておこなう「非構成的エンカウンターグループ」を、一年ぶりに実施します。
国内では、かなり日数の長いエンカウンターです。穂高養生園との関係も10年目。滞在環境はきわめて良好かつ温かいものがある。
美味しい食事、温泉、山の紅葉、野生動物の気配を楽しみながら、人生の中の8日間をともに味わえれば。
 日時 :2017年10月28日(土)~11月4日(土)
     集合 10/28(土)15:00頃 現地集合
     解散 11/4(土)12:30頃
 ファシリテータ:橋本久仁彦
 主宰:西村佳哲(リビングワールド)
 場所 :穂高養生園・森の家/長野県 穂高
 参加費:60,000円
 宿泊費:10,300円×7泊(食費、税込)
 定員 :10~13名
*本ワークショップの参加費は橋本さんに、滞在費は穂高養生園さんに直接お支払いいただきます。西村佳哲(リビングワールド)は非収益。主催事務を行い、当日は参加者として加わります。

「森の家」のホール。Photo: Satoshi

「森の家」全景。縁側で昼寝しているのは西村ですね。Photo: Satoshi

なぜ一週間も?
理由はいくつかあります。ひとつには、滞在地の穂高養生園がとても気持ちの良い場所で、食事も美味しく、短い滞在ではもったいないので。ここのマクロビ・メニューの質には、毎年満たされる思いがします。
近くにカフェ棟も出来て、グループセッションの合間にいただくお茶も美味しい。
私たち(西村+橋本)は最初、2006年に清里で4泊5日のエンカウンターを開催し、2007年からはここ穂高養生園の森の家で、年に一度の開催をつづけています。
養生園ではヨガやマッサージや針灸のプログラムを受けることも出来るのですが、4泊5日ではその時間がとれませんでした。
そこで思い切って、9泊10日のロングセッションを2009年に実施。とても充実した滞在が形になったのですが、さすがに10日間参加できる人は少なかろうと考え、2010年から7泊8日に。
セッションのボリューム感、余白の時間とのバランスなどちょうど良いと感じて、以来一週間の形で開催しています。
ファシリテーターの橋本さんにとっても、年間を通じ、もっとも長い非構成的エンカウンターグループです。

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写真左:宿泊室(1部屋2~4人で利用) 右:ホールの薪ストーブ

 
非構成的エンカウンターグループとは
非構成的エンカウンターグループは、カール・ロジャース(心理学者/1902ー1987)が切り拓いたグループセッションのスタイル。
あらかじめ用意されている内容は、何もありません。集まった人々が、言葉や存在を交わして進みます。
10日間を通じて生まれるのは、再現性のない一度かぎりの場です。「こういう体験が出来ます」とか「学べます」といった話は書けません。すべてがその場であらわれ、形づくられてゆくからです。
ワークショップが、工場(ファクトリー)でも教室でもなく文字通り「工房」であり、お互いを活かし合ってなにかをつくり出す試みの場であるなら、非構成的エンカウンターグループはその貴重な一例だと思います。
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◎お申込み方法:
 以下の事項をお送りください。先着順で受け付けます。
 ・お名前:
 ・連絡用メールアドレス:(複数可)
 ・連絡用電話番号:
 ・ご住所:
 ・ご年齢:
 ・性別:
 ・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
 ・通信欄:(よろしければ、なにか)
 送付先:hodaka1710@livingworld.net
 
◎申込完了までの流れ:
・催行人数の下限は10名です。
・お申込みいただいた方には、催行人数に達し次第連絡します。追って参加費をお振り込みいただき、その確認をもって参加申込み完了となります。
 
*全日程の参加が前提です。
*治療や心理療法のためのグループセッションではありません。現在なんらかの治療を受けられている方は、必ず担当医またはカウンセラー/セラピストとご相談の上、参加をご検討ください。またお申込み時にはその旨をお伝えください。
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非構成的エンカウンターグループについて
僕は2006年秋に初めてこのワークショップを体験し、感銘を受けました。このワークショップに感銘を受けた、という言い方はちょっと違う。このワークショップの方法によって生まれた場や、そこに居合わせた一人ひとりに感銘を受けた、という方が正しい。
その時やっていたのは、五日間、車座になって語り合った。
ただそれだけです。ただそれだけのことなのですが、振り返ってみるとそれは、大陸を歩いて横断するような五日間でした。
 
話が横道にそれるようですが、僕らは1999年からしばらく、仲間たちと「サウンドバム」という旅を開催していました。世界各地に「音」を聴きに出かける旅のプロジェクトです。
この旅には、カメラの代わりにレコーダー(録音機)を持って出かけます。
宿の窓辺や、街の市場、朝の森で音を録っていると、それまで聞こえていたはずなのに聴いていなかった、様々な音が、耳に飛び込んでくるようになる。
風が木のこずえを鳴らしてゆく音、遠くから近づいてくる雨、枝にとまる鳥、子どもを呼ぶ母親の声、車のクラクション、ある時は自分の呼吸の音も。
最初その旅から帰った時は、一年ぐらい部屋で音楽をかける気になれなかった。世界はすでに音に溢れていて、その音でもう十分に嬉しい自分に気づいてしまい、窓を開けて暮らしていた。
 
僕にとって非構成的エンカウンターグループでの体験はこれに似ています。なにがどうなるかはその時々のことですから、これ以上の説明はひかえます。
いずれにせよ現在の日本には、あまり体験できる機会がありません。このワークショップの特徴のひとつは、時間を要すること。
当初カール・ロジャース(非構成的エンカウンターグループの創始者)らは1970年代、長い時は2週間ほどのセッションを開いていたようです。
手法が一般化してゆく過程で次第に短くなり、20年以上前に橋本さんが学んでいた頃は、3泊4日が多かったそう。今は長くても2泊3日程度です。
では思い切って、4泊5日の贅沢なエンカウンターグループを実施してみよう!と開催してみたのが、2006年の秋。きわめて好評、かつ自分たちにとっても得難いものを感じたので、以後年に一度開催しています。
安曇野の渓谷ぞいの森の中に、穂高養生園という自然療法の施設が建てた「森の家」という快適な施設を借り切って。
自然も食事も素晴らしく、スタッフも気持ちいい。近くにいい温泉があり、養生園のお風呂も温泉。
毎年「なんでこんなに休みを取れるのかな?」と不思議に思うのですが、初めてお会いする十数名の方々が、全国から集まります。
旅の基本は一人だと思います。
でも一人ではいけない、体験できない旅もあるなと思う。
西村佳哲(以前の文章を改訂して)
 

「森の家」のキッチン棟。夜。

キッチンでは数名のスタッフが、朝も昼もほぼ一日中、わたしたちの食事の準備をしている。下ごしらえ、下ごしらえ、下ごしらえ。本当にありがたい。このワークショップは穂高養生園でも最も長い滞在なので、キッチンスタッフにとってはフルマラソンのような1週間なのだそう(同じ料理は出せないし、と)。いただきながら、満腹と満足の違いをよく思います。

カモシカと目があう人も。Photo: Masako Ishimoto

 

by 2017年11月24日