イン神山

in Kamiyama

神山町・NPOグリーンバレー(四国徳島・2008)

四国徳島・神山町でまちづくりに励むNPO・グリーンバレーの依頼で、山奥の田舎町と世界をつなぐウェブサイト「イン神山」をつくりました。
ウェブを軸にしたコミュニケーション・ウェア。
総務省・u-Japan政策の一環で進められている、全国・29件の地域ICT利活用モデル構築事業のひとつです。

春の風景。大粟山から神山温泉方向を望む。(神山写真帖より)

2007年夏に相談をいただいて、秋から企画作業を開始。3月末の仮オープン後、2008年初夏から運用が次第に本格化し、神山の日々の出来事が、バイリンガルで世界に発信されています。

サイト上でアクセスログの一部を公開。ご覧のとおり世界中から…。

プロジェクトに参加した経緯や動機、そして制作過程は、別ページ・楽器としてのウェブサイト(作成中)に書きます。
以下、簡単なサイト案内を。

神山写真帖
町の古い写真が失われる前に、それをデータ化し日々の新しい写真も加えてゆこうという、地域の大写真帖。外部ストレージとして flickr にも連動。

神山日記帳
約20名のコアメンバーが次々と書いている、いわゆるブログ。山奥の食堂が妙にインターナショナルだったり、虫に刺されたり森づくりを楽しんだりしている。(日本語のみ)

神山でアート
この町は10年前から毎年、アーティスト3名を招聘する国際的なアートプログラム KAIR を開催。9月からアーティストによる作品制作が始まり、11月上旬に展覧会がひらかれている。
あわせて、滞在型のアート制作をサポートするプログラム Bed & Studio もスタート。
山間の田舎町が不思議と国際的なのは、これらの活動によるもの。英語サイトではここがメイン。

神山で暮らす
移住を考えている人たちにむけた物件情報ページ。移住者の多い神山ですが、このサイトを通じて移住した人もすでに何人かいる様子。(日本語のみ)
フリーマーケット
道の駅や個人の「売ります・買います」掲示板ページ。時々登場する季節限定の収穫物が美味しそう。(日本語のみ)

写真帖以外はブログエンジン(WordPress)に、少し込み入ったチューンナップを加えてCMSとしています。
ウェブ外部のシステムにも連動。たとえば 今日の神山 というプリントメディア。

Map of Today:
季節ごとの情報や、その日のイベント・見どころ情報を載せた小さな日替わり地図。毎日準自動的にデータが生成され、道の駅やカフェで訪問客に配布されている。ウェブの記事の一部も自動的に反映。JPEG画像版はトップページでも見れる。

今回心掛けたのは、デザインしすぎないことです。

私たちは神山の人々や、NPOの代表・大南信也さんの人柄に心を打たれたので、飾り立てず、彼らの健やかさがそのまま表現されるようなデザインに注力しました。

ブログの編集ページ(非公開)にはSNS的な機能を盛り込み、地域およびメンバー内のコミュニケーションも軽く促進しています。

複数の技術を組み合わせたやや大がかりなコミュニケーション・ウェアですが、その昔アラン・ケイも語ったように、グランドピアノの中に音楽が入っているわけじゃない。

神山とイン神山を、ぜひ訪ねてみてください。

 

プロデュース: 総務省、神山町、NPO・グリーンバレー
Co-ディレクション: 大南信也仁木島 昭、西村佳哲
プランニング・ディレクション: 西村佳哲(リビングワールド)
Co-プランニング:トム・ヴィンセント(Tonoloop)
ウェブデザイン: ソーマカズオ(ou [u:]
デザイン/今日の神山: 根本仙弥
アート・ディレクション: 西村たりほ(リビングワールド)
プログラミング: 藤田 郁
エンジニアリング・プロデュース: イー・フロント(仁木島昭、遠藤雅周、新見高章、寺内信夫、池住広幸、淀 圭太郎)
Co-エンジニアリング/神山写真帖: エイペックス(宮田正順、齋田宏之、戸田邦弘)
制作管理: SSDC(久米川、福田、長野)
アドバイザリー: トム・ヴィンセント、大内範行
編集メンバー: 工藤桂子、チャン(天野洋一)、中原 亨、田中クレア、喜多幸治、吉田祐子
翻訳: 田中クレア
写真教室講師: 横田 徹
Special Thanks to:長谷部文子(四国経済産業局)、日沼禎子(国際芸術センター青森)

 

by LW 2008/10/14

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